宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部市役所市民交流棟、市民活動支援センターで開院しています。

10/26 コプエルBTLアンプ換装

プリモメンテで入院したコプエルですが、土・日と難航しましたが、なんとか完了しました。

昼頃に「一旦状況をまとめて頭を整理するとともに、ともすれば有識者の見解を頂けないかとw、記事アップ」したのですが、その後「追記1」からついに完了して「追記2」でブログも完です。

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右の水色の子の方ですが、だいぶ前の入院で「低~い声で『コ・プ・エ・ル・なん…』まで言って、それから先に進まない」の状態で入院して、32.786kHzの発振不良をなんとか解決して完治で退院した子ですが、
今回は「電池を替えたら声が変になった(くぐもった感じ)」で再入院です…。

「電池を替えたら変になったなら電池が原因でしょう?」と言いたいのですが、到着して確認すると確かに声が確実にくぐもってる。EVOLTA(neoじゃない方)が入ってて気に入らないので、ウチのナフコPBアルカリ電池に替えてみたけど、状況変わらない。

最初は「SP不良でしょう?」と思ってたのだけど、普通の声のピンクの方の子とBOX-SPと入れ替えてみても変わらない(水色の方のSPにピンクの方のBOX繋いで普通の声だし、ピンクの方のSPに水色のBOX繋げば変な声)ので、水色の子の方の基板側に何らかの不具合があると思われる…。

コプエルちゃんのBTLアンプ周りの話は、
8/16 タイプBコプエルBTLアンプ不良修理 - koheiのおもちゃ修理記録
も参照下さい。

最初「入力のフィルター回路の不具合に違いない!」と思って、上記サイトのフィルター回路のC18を手持ちの1uFに取替→改善せず、C19を手持ちの0.1uFに取替→改善せず(C19を0.1uFにすると声が小さくなってしまった。ちなみに1uFを付けたらもっと小さくなってしまったので、その後0.01uFに取り替えた)。

「これは…アンプの不良なんだろう」と、以前に作ったイネーブル付きBTLアンプ基板が机の上に転がってたので繋ぎこんでみると、声は普通にかわいい声に戻ったけど、セリフ前後に「パツっ」とポップノイズが乗る。
「そっか、既存BTLアンプが生きてるからだろう」と、不退転の覚悟で既存BTLアンプに繋がる所をほとんど切断したところ、セリフ開始時のポップノイズは完全になくなったけど、セリフ終わりの所のポップノイズは消えない…。
この辺で諦めて、ようやくオシロを引っ張り出して測定する事にした…。

とりあえず、今後の為も含めてアンプ回路も清書しておく。

アンプのイネーブル信号は、元は正論理なのに使ったHT82V73Aは「Lでイネーブル」なので反転必要で、N-chFETで反転掛けてる。(AO3400じゃ過剰だけど、安く入手していっぱい持ってるのでw。)
秋月で買ったHT82V73は、
・少ない外付け部品(ほとんど不要!)で、1.5WのBTL出力。
・イネーブル端子が付いていて、休止中は1uA以下の省電力。
・enable/disenable時のポップノイズが低い
といった特徴のBTLアンプ。

作った基板はこんな。

元基板への繋ぎこみはこんな状況。

まず、黄色:COBの音声出力(フィルター前)と、水色:スピーカ出力(の片方、対GND電位)との測定結果。

ポップノイズは、BTLアンプのイネーブルが切れるタイミングで出てると思ったのだけど、入力信号がバイアス値(1.5V程度)からゼロに下がるタイミングで出てるっぽい。
(入力がゼロ→1.5Vに上がるタイミングでも逆の電圧変動がみられるけど、ここではポップノイズは聞こえない。スピーカ出力は片相の対GND電圧なので定かではないけど、多分逆相は逆の動きなんでしょう。)

拡大してみても同様。

スピーカ出力の電圧変動は、音声出力が1.5V→ゼロに下がり始めるタイミングで始まって、ゼロに下がった後もまだ継続している。
50msでこの傾斜なので、COBはそこそこランプ出力してくれてるように思われる。

次に、アンプCE信号とスピーカ出力の状況。

アンプCE信号は「イネーブル→音声出力開始→音声出力終了→ディスイネーブル」でしょう、測定値もその通り。
ネーブル信号がスパっとゼロに落ちるよりも前にポップノイズが出てる。(音声出力時も、イネーブルの方が先に出てる。)
ポップノイズと思われるスピーカ出力の変動のところで、イネーブル信号はガクっと一段下がってる。これは、イネーブル信号が変動したらポップノイズが出たのではなくて、大きな音に電流を食われて電圧変動したのが見えてるだけと思われる。
(念のためこの、イネーブル信号と右手SWのプルアップ電圧とを同時に測ったら、同じ動きだった。)

それにつけてもイネーブル信号の「ヒゲ」が多すぎる。「電源平滑&パスコンが効いてないのか?」と、電源平滑の470uFを一旦外して確認→抵抗も容量も問題なし、手持ちの新品を付けてみたけどポップノイズに変化なし。COBのパスコン「多分これだろう」と思うコンデンサを取り替えてみて再測定。

ヒゲはなくなったけど状況は変わらず、ポップノイズ発生時の電圧低下はまだ起きてる。

ここまでの状況から「ポップノイズはBTLアンプがイネーブル→ディスイネーブルには関係ない」と思われるのだけど、確証の為アンプのイネーブルラインを外して「常時H」にして動作確認すると…これがポップノイズは全くでない…。

「作成アンプ基板側の反転回路に問題あるとか…?」と思い、作成アンプ基板側のCE(PIN5)を当たってみるけど、

スパっとH→L→Hになってて、「CEが不安定でアンプがバタバタとON→OFFしてる」なんて事は無さそう…。

さて困りました…。音声終了時のポップノイズ発生の状況を整理すると、
・COBからの音声出力が1.5V→ゼロに下がるタイミングで発生している。
・タイミングとしては、アンプがイネーブル→ディスイネーブルになるタイミングとは違う。
・けど、CEラインを外して、アンプ「常時イネーブル」にすると発生しなくなる。

う~ん、何か答えがありそうなんだけど辿り着けない…。今の所、無視できない程の大きさのポップノイズが出るので、なんとかしたい…。

(追記1)
土曜日~日曜日の午前中にここまでやってから、もうちょっと追加調査。
まず「アンプ電源電圧の不安定からノイズが出る?」の観点で、追加アンプ基板の直近に47uFを付けてみたけど変化なし…。

次に、SPの片相だけじゃなくて両相測ってみる→当然全く逆の動き。音声開始時には片方が落ちてもう片方は上がる、音声終了時は片方がポコっと上がってもう片方は同じだけ下がる。(当然かw)

「CEを外したらポップノイズ出なくなる」ので、CE外してHに固定した状態での測定。これが…

音声開始時の下がりは同じだけど、音声終了時の波形が違う。
先のグラフから、ポコっと上がったSP片相の電圧がスパっと下がるのは、アンプのイネーブルが切れるのと同じタイミング。当然と言えば当然。
CEを外した状態での測定では「スパっと下がる」がなくなって徐々に下がってる…。
「ポコっと上がる」タイミングでノイズが出てると思ってのだけど、SP出力両相に電位差が掛かった状態でアンプイネーブルが切れて急に電位差がなくなる所でノイズが出てるのか…。

入力がゼロ→1.5V・1.5V→ゼロになる動きはどうしようもない。また、COB出力はちゃんとランプしてくれてる。入力がゼロ→1.5V・1.5V→ゼロになる所で何故アンプ出力が動くのかは分からない(微分かな?)けど、ランプ電圧入力なのでここではノイズは出ない。
だったら、CE信号を遅延させて両相電位差が下がるまで待ってからディスイネーブルすれば、終了時のノイズが軽減できる?
(音声開始時の動きからすると、100msぐらい遅延してもスタートはOK。オフ時を100ms遅延させれば、電位差はかなり下がってる。)
CEラインに先の「2023/8/16」記事の遅延回路を入れてみるか…

(追記2)
「2023/8/16」の時に先輩ドクターに相談して提案のあった遅延回路:

を、アンプイネーブルラインに入れてみる。
コンデンサは最初1uFにしてみた。(ちなみに、TrはS9014、FETはAO3401を使用)

1uFじゃ大きすぎた…(ので時間軸を500msで表示)。この時の回路は「電源スロースタート回路」としてお勧め頂いたのですが…、立ち上がりはスパっと立ち上がって、下がるときはだいぶ遅れてからゆっくり下がってる。これだと…オフディレイの動きですね。(改めて回路を見て考えてみると…やっぱりオフディレイなんじゃないだろうか…。余裕ができたらLTSpiceで検証してみよう。)

音声終了から1秒も続いてる。目標は100msだったので、1uF→0.1uFに変更してみる。

予定通り10分の1程度。ポップノイズは全くないのだけど…しかし…HT82V73AのCE(not)を当たってみると、ずっとLに張り付いたまま…。これだとCEラインを外して「常時イネーブル」にしたのと同じで、ポップノイズは出なくて当たり前…。

そっか、上記の「遅延回路」は「電源ON」を遅延するための回路で、このままだとFETがオフ時は出力が「Hi-Z」になってしまって、アンプ基板側の反転回路にちゃんとLが入らない。よって、反転回路側のN-chFETが一旦ONしてアンプCE(not)がLになった後、Lが解除されない。
プルダウンが必要ですね。もう一息、がんばれ!
どこに付けようか…と思ったのだけど、アンプ基板側にちょうどいいスペースがあったので、アンプ基板側に100KΩでプルダウン設置。

これで水色:SP出力・黄色:アンプのCE(not)ラインの状況:

これでアンプはちゃんとディスイネーブルするようになって、ポップノイズは少し残る。
0.1uFにもう1個抱かせて0.2uFにする。

これで、音声終了時のポップノイズは、耳をすませばちょっと気づく程度まで減少。これでOKでしょう!!!

遅延回路の最終の写真:

前回(2023/8/16)よりも小さい抵抗使ったので、前回よりすっきり出来た。けど…元の基板に結構スペースがあるので、こんなに小さく作る必要ないんだけどね。もはや、ほとんど変態だよw。

全体の配置の状況。

そもそものアンプ基板が、FETでの反転回路が付いてるので、この反転回路に遅延回路を組み合わせれば、2つに分けるより1石減ってコンパクトに出来るかな。余裕があるときに検討してみよう。

いや~、がんばったでしょう。土曜の午後から1.5日潰れたわ…。でも、アンプ換装後のポップノイズを完全解決できたんじゃないでしょうか。
この水色の子は、シッポSW取替でまだ背中の手縫いを開いた状態なので、もう何日か動作確認しながら、出来れば平日中に縫い戻ししてから、退院にしたいと思います。